「使いやすさをデザインするということ」講演メモ
正直、セミナー自体は(自分が門外漢というのもあるけれど)期待していたものとちょっと違った。ただ、この講演だけでも聴きに行けてよかった。後半のメモが少ないのは、スライドの美しさに目を奪われていた時間が長かったからだ。文字をほとんど使わず、動画や写真で8割がた構成されていた。
2010.11.27 / Android Usability Seminar 2010 / TKP代々木ビジネスセンター
「使いやすさをデザインするということ」
・講師:山中俊治氏(慶應義塾大学大学院教授、LEADING EDGE DESIGN代表)
・概要:「タッチパネル操作可能なスマートフォンは、幼い子どもでも扱えるユーザー・インタフェースを実現している点で画期的なデバイスです。説明抜きに直感的に使えるユーザー・インタフェースは、どこがポイントで、どうやって実現できるのでしょうか。本セッションでは、「Suica」対応自動改札機など多くの工業機器のデザインを手掛けた山中氏の講義を通じて、「使いやすさとは何か」「使い勝手(ユーザビリティ)検証の在り方」などを学びます。」
Suica自動改札機・アンテナ位置の最適化
ユーザビリティ調査
- 実験室でのテスト段階では、カードの当て方がわからず、エラー続出
- 複数モデルを田町駅でテスト
- by OpenOffice.org 3.3 Impress
「ユーザビリティに関しては、作り手の直感は、たいてい外れる。周到に実験し、準備する必要がある」
テストしてわかったこと
- 光るリングを設置:光るところしか見てくれない
- わかりやすい言葉(タッチ1秒)が有効 文章は読んでくれない
- 警告は、少し離れた位置に出す方がよい
- 少し手前に傾けると、うまくタッチしてくれる人が多い
- この本「デザインの骨格」によると13.5度らしい
「ユーザビリティに関する議論は、それぞれの主観が話されるのみで、平行線となることが多い」
テストの意味を参加者に伝えることも大切
- 一期一会、周到な準備を
- 同じ参加者が集まってくれるわけではない
- モデル機が壊れたりすると、せっかく集まってくれた参加者に大変迷惑がかかる
- テストも、企画の一環である
- 参加することに意義がある
おサイフケータイの最適化
- ドコモの「iD」用リーダライタ開発へつながる仕事
- プロトタイプを複数つくる
- 決済時の音/NGだったときの音も設計
- タッチして携帯電話が反応するようにする?しないようにする?
- →しないようにするのがよいとわかった(反応するだと、フィードバックに時間がかかる)
料理用キッチンツール
- レーベン(トング)のつかみ方:日本人(ペンのように)とアメリカ人(わしづかみ)で異なる
- 大根おろし:刃の間隔が一定だと、途中でおろせなくなる(空回り)
- → わずかに不規則な配置に、oxo社製品化
iPhone baby
- 1才くらい、言葉は話せないけれど、写真をタップしていろいろ見ている
- vervalなルールは理解しない(できない)記号でも、判断を求めるものはダメ
- 逆に、それ以外なら、トライ&エラーで覚えてしまう