always one step forward

洋菓子店コアンドル

一言でいうと「主人公のなつめがパティシエとして成長していく物語」全体的に退屈という意見も何となくわかるけれど、ケーキと蒼井優さんの自然な表情と鹿児島弁を楽しめる作品。


「食べると一瞬のおいしいケーキでも、完成品として仕上げるのはけっこう大変なんです」という感じで、ケーキ作りの過程を時間をとって見せてくれる。無音なのが緊張感をあげる。予告編の後半にある「どんなビターな人生も」とあるように、予想に反して、実際はそれほどハッピーストーリーが続くわけではない。「みんなが笑顔になるケーキ」は言葉にすると簡単だけれど、これを描くためには、バックグラウンドの物語がふわっとしていてはだめ、ということなんだろう。


個人的に「もうたまりません」というシーンが何か所かあった。給料をもらったときのなつめの表情。床に寝て泣きながらなつめがシェフに語るカット割りが少なめのシーン。最後の坂と車のカメラアングル。あまり期待していなかったけど、そういうところもけっこうよかった。