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IT寄りの日常・IT以外の日常。ランニング。美術展や展示会感想。長文でもなるべく読みやすく構成する練習を兼ねています

プロフェッショナルを演じる仕事術


レビュープラスより送られた書籍のレビューです。

まとめ

ロジカルな短文からなる文章構成、具体的な例示が続いてわかりやすかった。「ストーリー」「フレームワーク」をビジネススクールで学ぶ人にとっては、既習のテキストを読むような既視感があるかもしれないが、通ったことがなく「結局フレームワークって何?」という自分には新鮮な内容だった。少なくとも「演じる」という単語から受ける「まねごと・本心でない」などのイメージは取り払って読んでよいと思う。

プロフェッショナルを演じる仕事術 (PHPビジネス新書)

プロフェッショナルを演じる仕事術 (PHPビジネス新書)

各章についていくつか。

第1章 取調室でカツ丼を食べる謎(ページ数31)

  • さっそく「ストーリー」がキーワードとして出てくる。「ストーリー何ですかそれ」という場合、この章をじっくり読んでおくと後であやふやにならずにすむ
  • 30-31ページの「ピーターの法則」に笑ってしまった。言い換えると「名選手が必ずしも名監督とは限らない」「大企業病」こうならないようにと気づけた、という意味で、昇進しきっていない今の段階で読めてよかったと思う
  • 人は、無意識に自分で描く(描いてしまう)「ストーリー」の中で「役」を演じている
  • 「役」を演じることで感情が生まれ、予想していなかった成果につながることもある
  • 「予定調和」は心地よく、陥りやすいが、そこから抜け出すことが大きな一歩

第2章 ストーリーはどこからやってくるか(21)

  • 様々なエピソード(親と子供、大成した著名人から土産売りの子供まで)から、ストーリーをどうやって掴むのかという事例紹介
  • 55ページ「教育現場では経営者の立志伝は一つも教えられず、商売のイメージを持たずに育ってしまう。むしろ "越後屋" のようなネガティブイメージしかない」という点はなるほどと思った
  • 子供にとって一番のストーリーテラーは親「背中を見て育つ」
  • 期待される理想と現実のギャップに悩むのは誰でもある。勘違いせず謙虚になれば「役」に飲み込まれることはない

第3章 プロフェッショナルのスゴさを「見える化」する(35)

  • 主観、客観の話。「自分を客観的にみる」ための手段の1つとして80ページあたりから「フレームワーク」が詳細に語られる
  • 「自分の場合はこういうことかな」とアウトプットしてみるのもいいと思った。まさにこの著者を「プロフェッショナルとみなして、演じる」作業だ
  • ほかにも、メンタルモデル、メタ認知、戦略の3C、マーケティングの4P、アソシエーションなどキーワードが並び、だいたいわかりやすく説明されているけれど、興味がなければ読み飛ばしてもいい内容
  • メンタルモデル=良くいえば長年の勘、悪くいえば偏見。主観の中に偏見が含まれていないか、よく考える
  • メタ認知=自分のこと話したり書き出したりすると、自分がよくわかる
  • 新しいことへの接触はゼロベースでないといけない。「これ」は知っている「あれ」だ、の瞬間に思考停止

第4章 仕事をゲームに変える方法(32)

  • フレームワークには3つある」という展開で、章のタイトルにほどとっつきやすくはない
  • 「精神フレームワーク」122ページからのディズニーランドのキャストのエピソードがわかりやすい
  • 126ページから「達成動機が上がると仕事はゲームになる」実業務でこれはなかなか難しいなと感じた。成功体験の蓄積は大事で共感できるけれど。対話が大事、という部門に限って対話ができていない、ということは良くあると思う

第5章 「負ける技術」を身につける(30)

  • 逆にタイトルそのままでわかりやすい。謙虚になりましょう、きちんと負けて経験を得ましょう
  • 心理学の側面で「コンプレックス」を説明
  • 「負けるためには2つコストを払う必要がある」は新鮮。読書量が大したことないだけかもしれないけれど、サンクコストがこんな文脈で使われるのは初めて見た
  • サンクコスト sunk (not thank) cost 損切り、引く勇気
  • スイッチングコスト:やり方を変えるには抵抗がある。しかしそれが必要なこともある

第6章 トイレを磨くと儲かるか(41)

  • タイトルになったエピソードは冒頭に紹介され、結論はよくわからない。けれどそれ以降の内容が、個人的にはいちばん実になった章だ
  • 171ページ「ハロー効果」いろんな事例、言葉の紹介が豊富で、この本そのものがこの効果を持っている
  • 181ページ「知っている」と「できる」は違う、という経験はよくある。「そのことを理解しているかは、自分の言葉でそれを説明できるかどうか」に近く、セミナー講師をするようになってからは、「この用語はどう説明しようか」という訓練を無意識にするようになった
    • 身体で覚える、使える力にするために「最低1万時間が必要」って途方もないけれど、仕事なら1日8時間として10000/8/365=3.42年、まあ妥当なところ
    • 楽器練習を週4時間として10000/(52*4)=48年、、、週8時間としても24年、、、素人演奏者にプロの道ははるかかなた
  • 184ページ「フロー状態」も何となくわかる。充実した仕事をするとき、時間は感じない。夜遅くなってもいい。出張の移動時間も短く感じる
  • もちろんその逆もあり、これは「役」の不一致から来ているのだというのがわかる。最近は管理( manage でもあり maintenance でもある)側の視点が必要なことも多くなっているけれど、これに気をつけてみようという気になった

第7章 プロフェッショナルからの正しい学び方(20)

  • 210ページ「守・破・離」は初めて知った。師匠から学ぶプロセスとして、茶道でも華道でも剣道でもこれがあるという
  • 「まずは真似る」と来た瞬間に「あ、行動フレームワークか」と思えれば、まあこの本を読めたと言ってもいいのでは
  • この著者がお気に入りの1冊なのだろう、立川談春さんの『赤めだか』が何度か引用される。談志さんが亡くなったこの時期に読む縁を何となく感じ、これも読んでみようと思う

赤めだか

赤めだか

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