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TransferJet実証実験に参加した @ CP+2013

近距離無線転送規格のTransferJetの実証実験が、CP+2013の会場内で実施されていたので参加した。持ったことの無いタブレットを片手にメーカーブースを回るというちょっと珍しい経験ができた。内容は下記などでいろいろ紹介されているので割愛するとして、報道されていない気づいた点などを簡単に。


実証実験に参加する来場者は、免許証と携帯電話番号を係員に提示して端末を借りる。コンソーシアムの協力企業のブースには、TransferJetの通信機が置かれており、借りた端末をそこにかざすだけでカタログをダウンロードできる。TransferJetの通信速度は理論上、毎秒560Mビット(毎秒70Mバイト)なので、100Mバイト程度のデータであっても、数秒でダウンロードが完了する。

大まかな流れ

  • 会場内の受付で登録
    • タブレットを一時的に自由に借りられる状態になるため、誓約書への記入→身分証の提示→番号を申し出た携帯電話でその場で着信確認、と厳しめ
  • 使用方法の説明を聞く
    • 型番は見てなかったけれどREGZAタブレット
    • 起動後は今回の実証実験専用のカタログ閲覧ソフトウェアが立ち上がり、その他の操作はできない状態(ホーム画面さえ表示されない)
    • 「まだソフトウェアが不安定で、"再度電源を入れてください"という表示が出た場合は、再起動してください」と素直に言われた。実際そうで、5-6回は再起動した気がする
  • 送信機が備え付けられたブースを計8カ所回り、カタログのPDFファイルや動画ファイルをダウンロード
    • さっさとまわれば15分くらいで終わりそうだったけれど、せっかくなのでのんびり回った。2時間くらいか
  • タブレットを返却して終了。アンケートへ記入し、今回のカタログデータ入りのUSBメモリをもらった

気づいた点

  • タブレット等にその場で高速に大容量データを転送できるスマートさは感じた
  • あえて近接(3cm以内)に寄らないと通信できない仕様
    • 干渉がおきにくく、面倒な認証系も最小限でよいとのこと
    • WiFi、3G(LTEも?)が遅い、という環境では強みが出そう
  • 受信端末を置いたブースを訪れて製品を知る、という直接の効果ももちろんあり
    • gizmonは正直知らない会社だったけれど、クラシックカメラ風のおもしろいiPhoneケースやかわいらしいコンバージョンレンズを扱っていて、見ておもしろい製品が並んでいた
  • 思いついた用途は:
    • 学会の予稿集(やパンフレット):学会のサイトでPDF配布がされるケースが増えてきた。一方、訪問したその場で必要な日の日程表を手元のスマートフォンやタブレットに落とし、自由に検索するという活用ができたら嬉しいかも
    • 展示会:パンフレットや動画配布だけだとあまり嬉しくない。その場でじっくり見るものではないので
      • それよりは、その場で発生したデータをその場で落とせる、というのが嬉しいと思った。カメラの展示会であれば、展示カメラで撮影した写真をサンプルとしてもらうとか、CASIOブースにあったゴルフスイング動画をもらうとか。その製品への興味も数倍残るだろうし。"その場でしか得られないコンテンツ" がキーワードに思える
    • 美術展、写真展などのガイド資料。地下で携帯電波が届かない会場だと有利?
    • 子供視点だと、動物園で目の前にいる動物の動画が(TransferJet搭載の)NintendoDSに落とせる、とかは嬉しいのかも
  • 医療現場などにも多分用途はあるのだろうけれど、詳しくないのでちょっと思いつかない

あとは写真つきで

  • 仕様全般。よく見ると見やすいのだけれど、床置きだったので若干見づらい。まあ会場でじっくり見るような情報ではないか

 TranferJet実証実験


  • 各ブースにはこういう感じの台(受信側)がある
    • オリンパスのブースだけ特別にこの2台が横並び。それぞれ違う内容のカタログがダウンロードできる

 TranferJet実証実験


  • 回るブースは計8カ所。タブレットの画面に表示されるマップ。写真はかなりぼけてしまったけれど、実際はとてもわかりやすかった
  • 将来向けには、GPSで自分の位置がわかるとよいとおもった
    • 精度の問題はありそうだけれど、ビッグサイト全フロアとか、大学キャンパス内とか、広い会場向けにはあって良いような気がする。単純に「いま自分がどこにいるか知りたい」ニーズはあるはず

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  • こういう感じで、受信機のマーク部分に合わせてタブレット側を近づける。すると左上の緑色LEDが点灯し、データ送受信が始まる

 TransferJet実証実験


  • ‥というところを動画で撮ってみた
    • タブレット設置〜データ送受信が完了〜タブレット側でデータを展開(zipファイルらしい)〜展開後の動画カタログを表示するところまで
    • 光の向きをよく考えずに撮ってしまったので見づらい。。
    • 動画を初めてアップロードしてみたけど、YouTubeでもFlickrでも、縦長のムービーファイルが横長のウィンドウにおさまってしまうのは初めて知った

 


  • 実際の転送速度は、「早いといえば早いか〜」という印象。驚くほどではなかった
    • USBメモリ内の容量を見ると、オリンパスのカタログデータは約113MB
    • 上の動画をみると約20秒?くらいかかっているので、113/20=5.6MB/s、5.6*8=44.8Mbps
    • 「理論的に560Mbpsまで対応可能、最大実効値375Mbps」とのことでそこまでは出ていなかった
    • ただ、この撮影のあとにやり直すともう少し早かった気がするので、何か別の原因だったのかもしれない。(通信規格というよりはソフトウェア側のがんばりの問題?)


  • もらったUSBメモリと、その中身。PDFファイルや動画ファイル

TranferJet実証実験

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