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関数電卓 カシオfx-4800p に10年以上ぶりに電源を入れる

方程式を入力→SOLVEで解が得られる

10年以上使っていなかった電子機器に、久々に電池を投入、通電(画面表示)した!ことがなんだか懐かしく、嬉しかったという極私的体験。

試験に持ち込める関数電卓

1週間ほど前、(大学の試験時期ということだからか)Twitterのタイムライン上で「関数電卓」が話題になっていた。「PCや携帯電話は持ち込めないけれど、関数電卓は持ち込みOK」というルールは自分の時代とまだ変わりがないようだ。

いまや簡単な計算はgoogle検索ウィンドウでなんとかなってしまう時代。「sin15」をgoogle検索しただけで「はいはい、あなたはsin15°の値を知りたいんですよね」と、電卓インターフェース上に「0.65028784015」をさらっと表示してくれる。

ちなみに:普通の電卓と何が違うのか?

関数電卓は、(いまや100円ショップでも売っている)普通の電卓と何が違うか」を無理やりひとことで言えば「三角関数や指数関数、べき乗が簡単に計算できる」という点だろう。[sin] や [ex] ボタンがあり、たとえば sin15°exp(πi) などを計算できる。

高機能なモデルになると、計算履歴をかなり以前までたどれたり、自分で定義した計算式を記憶できたり、という機能が加わる。

シャープ プログラマブル゛関数電卓 ピタゴラス 473関数 EL-5160J-X

シャープ プログラマブル゛関数電卓 ピタゴラス 473関数 EL-5160J-X

ちなみに:sin15°の手計算

算出は意外と面倒で、加法定理を覚えていれば sin(60° - 45°) = sin60°cos45° - cos60°sin45° で比較的なんとかスムーズに求まる。値は (√6-√2)/4

関数電卓を久々に取り出す

そういう時代なので、仕事を含めてめっきり使わなくなった関数電卓

そんな関数電卓を、大学時代、学生実験のお供に購入した。いろいろ化学/物理系の科学定数も入っていて、当時はたしかに便利だった。化学系なので「白衣」「実験ノート」と合わせて持ち歩いていた。

何度か引越しを重ねた今も、そういえばまだ処分していなかったな、とキャビネットの奥をあさると(なぜか場所はよく憶えていた)「カシオfx-4800p」が目の前に出てきた。

もちろん電池切れで、電池を入れ替えると電源が入った。

念のため市場調査

Amazon.co.jpにはさすがになく、あるのは後継のfx-5800p(それでも2006年発売)

カシオ プログラム関数電卓 407関数 10桁 FX-5800P-N

カシオ プログラム関数電卓 407関数 10桁 FX-5800P-N

マニュアルはまだダウンロードできる(これは生産終了の他の電気製品でもけっこう可能)

fx-4800P - PDF取扱説明書ダウンロード - CASIO

マニアな方のページに情報があり、

4行のマトリックス液晶を持つ高級モデル.プログラムも組めるし,「ファイル」という概念もあるので,ポケコンに近い位置づけ

というモデルだったようだ。

PCをいつも持ち歩くならMathematicaMapleなどの数式処理ソフトの方がコストパフォーマンスはずっと上だと思います。

とある。

逆に言えば、PCを持ち歩くことがまだそれほど当たり前ではなかった時代に、複雑な計算をさせたり、自分で計算式をプログラムして「計算させる」という要求には充分応える製品だった。

関数電卓 カシオfx-4800p

外観。縦方向ははがきよりやや長い

外観。縦ははがきよりやや長い

開いたところ

開いたところ

右側には計算式機能(このモデルだと「ソルブ機能」と呼ぶ)のチュートリアル。こんな小型端末で「任意の変数の解を求められ」るのか、すごいな、と感じた記憶が

ソルブ機能 チュートリアル

大きめのボタン電池CR2032を2つ使用。写真ではわかりづらいけれど、左「BACKUP」右「MAIN」、同時に抜くとメモリ内容が消去されてしまう。本来は1つずつ交換する

ボタン電池CR2032を2つ使用

今回はどちらも切れているので一度に交換

ボタン電池を外したところ

汎用的な電池なので、近所のトモズに売っていた。

汎用的なボタン電池CR2032

ヨドバシカメラでは各社製品がたくさん、Amazonだとバルクでまとめ買いできる。各種計測機器向けの消耗品として、ニーズがかなりあるようだ

ヨドバシ.com - CR2032 検索結果

そして(本当に電源が入るだろうか、と)やや神妙な気持ちになりつつ電源ボタンを押した


電源ON

めでたく電源が入った!当たり前といえばそうだけど。

電源が入った!

押すとやわらかく緩んだように押し下がるボタン、かちゃかちゃというキーの押下音。PCのキータッチに慣れていると、もう「おもちゃ」を触るときの感覚にも近い。しかしたしかにいまも、高機能な関数電卓である。

科学定数の例として電気素量eを表示。電磁気学の基本定数だけど、化学とも関連が深い。アボガドロ数ともに電気分解で登場する「1ファラデー」の定義に使われている

電気素量 - 電磁気学の単位 - Wikipedia

科学定数。素電荷e

科学定数いろいろ

数式入力に使うメニュー。積分やら、順列組み合わせやら

数式いろいろ

チュートリアルにあった「ソルブ機能」を試した。

科学定数の入力手順を完全に忘れていて、重力加速度gの入力にアルファベット小文字gを使ってしまうなど回り道したけど、5分ほどさわって、例の通りに「任意の変数の解を求める」ことができた

方程式を入力→SOLVEで解が得られる