角の芸術
神戸での仕事終わり、旧居留地と南京町を歩いた。
旧居留地
よく整備された碁盤状の広めの道路に、ブランドショップの路面店が並ぶ。道に面したその壁の見上げた位置に、ブランドの旗が控えめに、けれどしっかりとなびいている。どの店も、ショーウィンドウを必要以上に目立たせることがない。街の風景としての、暗黙の統一感があって、優等生が姿勢を正して整列しているようで面白かった。
その代わりに感じたのは、建物それぞれの個性的な「角」だ。ロゴを大きく縦に配したり、ビル角の構造そのものを大きく湾曲させたり、外から見える位置という意味なのか、2階でも3階でも、角だけは全面ショーウィンドウになっていたり。もちろん新しくビルを設計するときは、すでにある周辺の風景にあてはめるはずで、「あの向かいのビルの角に負けないような、角にしよう」と、結果的に角でアピールしているように見えて、これも面白かった。
あと、道のそこかしこに灰皿があり、男女問わず喫煙している人がけっこういたのが、今や新鮮だった。都市部にいると、しらないうちにいろんなところが禁煙になっていて、こんな景色に出会うことがなかなか少なくなった。