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告白

多くはモノローグの形で語られ、一見読みやすい。


章ごとにその視点が変わる。主人公から見たAとB、Aから見たB、Bから見たA、母親から見たA、Aから見た母親…、一つの事件でも、当事者の視点が違うと、行動の思惑がまったく違うものになっていく様が、読んでいくうちにはっきりしてくる。ただし、そう「見える」だけで、末尾にある映画化した監督のインタビューにもあるように、独白=書いてある内容に、嘘が含まれているかもしれない(いないかもしれない。)読み終わったら霧の中だった、という感覚で、そういう意味では、再読するとおもしろい本だろうし、そこが本当のミステリーになっている気がする。


牛乳のくだりは、体調の良いときに読んだほうが良さそうだ。ドストエフスキーの「罪と罰」へのオマージュと思われる内容だけれど、あれそういえば「罪と罰」はそもそもどんな物語だったか、、そちらも読んでみたくなった。


告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)