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「させていただきます」の距離感2

「させていただきます」などの敬語表現の使いすぎは慇懃無礼なのでやめよう、という、よくある自戒が前回のエントリだった。英文でもやっぱり、用件をストレートに伝えるほうがよいと思う。具体的には、1. のような気持ちであっても、4.を書ければ充分。

  1. 設定Aが適切かどうかを把握させていただきたく、下記BとCの確認をお願いできないでしょうか。
  2. (省略)
  3. (省略)
  4. 設定Aが適切かどうかの確認のため、下記BとCの確認をお願いします。

たとえば

Would you please check the setting B and C to see if the setting A is appropriate?

もちろん、内容や状況によって check でなく confirm だったり inspect だったりの場合はある。専門用語や表現が混ざることを除けば、伝えたいことの本質は、99.9%中学英語で通じる。あとは would や could で丁寧さを表すくらいか。

「させていただきます」

強いてうやうやしく書くならたとえば

Would you mind letting me to check the setting ... ?

だろうか。Let me (or us) ... に「させていただく」のニュアンスはあるようだけれど、実務上はまあ、書くことは少ないだろう。謝罪文の例としてよく見る Let me apologize ... も、実際はあまり書かない(そこまで非を認める状況に至っても、別の提案型にしたいところ)

ちなみに、よくお世話になっている英辞郎によれば、慇懃無礼に準じる言葉は以下の通り。そのさまを、シンプルに表現していると思う。こうはならないようにしないと。

feigned politeness(偽りの礼儀正しさ)be impolite under the cover of politeness(礼儀の内側に隠れた無礼)maddeningly-polite(腹が立つほど)

「お願いします」

丁寧さは 1 < 2 < 3 だけれど、1 はぶっきらぼうであまり使いたくない、3 は丁寧すぎる、で 2 をよく使う。

  1. Please check (the setting) ...
  2. Would you please check ... ?
  3. Would you mind checking ... ?

顧客ではなく、開発元へ要望や質問を送る際に使う場合は、同僚 colleagues ではないが仲間 workfellow という気持ちも込めながら、

  • Thank you for handling the issue.
  • I appreciate your effort to grasp the situation and ...

高度にロジカルな文章を構築する必要はなく、要は、伝えたいことをシンプルに伝えることが求められる。それに慣れてくると、よく使う文型が頭の中で文字通りテンプレート化できてきて、必要十分なコミュニケーションを図る上では、あまり悩まずに書けるようになる。(一時期、やりとり文例集をwikiページにまとめたりしたけれど、その文例自体はあまり使っていない)