科学と音楽の響宴 2010
- タイトルに惹かれたのと、
- カーボンナノチューブの(とは本人は呼ばれたくないようだったが)飯島さんの話を聴くため、
- そして久々にクラシックを聴くのもいいなと思い、
はるばるつくば駅前まで赴いた。つくばエクスプレスに乗ったのももう1年ぶりで、相変わらずやたら速かったけれど、つくばまではひと旅行という感じだった。
さすがに講演慣れされた語り口で、これまでの業績、もちろんCNTのこと、そして今進めている研究についてもわかりやすく語りつつ、全体をコンパクトにまとめる「講演力」はさすがと感じた。飾り気がまったくなく、フラットな雰囲気が印象的だった。あくまで電子顕微鏡の開発が自分の仕事であり、CNTの発見は嬉しいけれど、どちらかというと脇道で見つかったものなんです、ということだ。
聴衆はまさに老若男女という感じで、年配の方が比較的多かったようだ。市が主催の講演で、クラシックコンサートとの異色の組み合わせだったからかもしれないが、講演後の質問が1つも出ず、5つくらい浮かんだ質問をいくつかしようかとよっぽど思ったけれど、結局できなかったのが、今ではちょっと悔やまれる。
講演メモ
科学と音楽の響宴 2010 / 2010.11.17 14:00- / ノバホール つくば市吾妻1-10-1
- 黒い飛行機雲(ロシア上空)
- 白い飛行機雲と違う理由は?
- まず、見ることが大事!(目で見るだけではない、X線や顕微鏡も)
- ミューオンで火山内部のマグマを調べることができる
- 先日腰骨を打ってしまった
- 腰骨はX線で観察できるが、火山のサイズだとX線を当てられない
- モルフォ蝶の鱗粉=きれいなブルー
- SEMで観察すると、断面に規則的構造 5umオーダー
- なぜ?DNAの構造(らせん構造)に近い 光の回折
- 金箔の作り方
- 厚み100-200nm
- Auは錆びない、安定な物質
- けれど顕微鏡観察により、微粒子の状態では不安定であることがわかった
- Au原子の発見(観察) 1985春田教授→Au触媒の研究へ
- カーボンナノチューブ(CNT)
- サムスン、もうすぐ40インチ台テレビ発売
- カーボンナノチューブランプ
- 従来のタングステンランプと構造は同じ
- 炭素原子からなる物質
- Kavli Prize(カヴリ賞)
- astropsysics, nanoscience, neuroscience分野に特化
- Kavli博士が賞や研究所を作り支援
- C60の構造=サッカーボール
- 炭素原子が結合し、6角形状に並ぶ(サッカーボールの白)
- 一部に、5角形がまざる(サッカーボールの黒)
- 「C60は先に見つけていた」
- 1980に私が見つけていた‥別論文の顕微鏡写真に構造が見えている
- けれど言及できなかった 残念賞
- 私のメイン
- CNT発見でいろいろいわれているが、本当は「高性能電子顕微鏡の開発」なんです
- エンドウ豆(Pea-pods)のガス吸着、貯蓄現象
- これを応用し、C60を単層CNTにつめる
- 触媒反応でC60が成長し大きくなる
- 「*」触媒のタングステン原子が移動する(だから何なの、と聞かないで)
CNT ーーーーー*ーーー
C60 o o o
CNT ーーーーーーーー
↓↓↓↓↓ 時間経過後
CNT ーーーーーーーー
C60 o o O*
CNT ーーーーーーーー
- CNTの先端構造
- 竹かごのイメージ
- F+V=E+2(オイラーの多面体定理)F面 V頂点 E辺
- 竹かごの断面、曲がる部分はいつも同じ角度
- → 7員環、5員環が発生するとこうなる?ようだ
- 横ヒゴは連続(1本ずつ編まれている)
- 構造上は4員環もある