「天下一品」と私
土曜、久々に関内店でこってりを食べた。開店のころにさっそく行った頃は客もまばらだったけれど、前日の金曜は満席で入れないくらいだったから、東西問わず受け入れられているのだろう。店舗一覧を見てみると、目下全国拡大中だった。昔(といっても10年くらい前)は店舗ごとに味付けが違って、それも語り草の一つだったが、チェーン店が増えるようになり、今やマクドナルドの材料やレシピと同じく、どの店でも味付けは(基本的には)同じになっているらしい。
注文してから待つまでの数分間、なぜか背筋が伸びる。緊張、もしくは待ってましたという感覚ともなんか違うけれど、相対するというか、対面するというか、自分から入った予定調和の輪の中で、淡々とそのときを待つという雰囲気。‥スープを一口、そして「ああ、これこれ」という瞬間を味わう。スープを半分くらい飲むと出てくる「明日もお待ちしております」という器の文字に「んな明日も来るかよ」と思ってみるのも毎度のこと。
(基本的には)同じ味と言うものの、昔食べた「あの店の味」を求めて、京都で時間があるときにはわざわざ寄ってみたりもする。麺やスープの量は昔に比べて減っていて、値段は少し上がっている。あまり頼まないけれど、ライスや餃子というサイドメニューでけっこういい値段をとっていて、ラーメン店にしては客単価も上の方なのではと思う。こってりという大黒柱が安定しているから「ほかにもつい一品」と脇役にも目がいきやすく、売上貢献しているのかもしれない。