2013.10.13 吉岡徳仁「Crystallize」- 東京都現代美術館
- 場所:東京都現代美術館
- 会期:2013年10月3日(木)-2014年1月19日(日)
うさぎスマッシュ展とセット開催でお得だったので観た(単体で\1100、セット券\1600)のが正直なところだけれど、美しくておもしろかった。
クリスタライズ=結晶化がテーマ、協力企業にはガラス等の材料系メーカーもいくつか名を連ねている。どちらかというとBtoB寄り、化成品や工業製品が主力のメーカーがアートに協力する事例は、(あまり知らないけれど)意外と多いのかもしれない。ただ、傑物アーティストの"個展"というじっくりとした舞台での技術力アピール、それを観られる機会はけっこうまれなのでは、などと感じつつ、白基調の大部屋に据えられた作品を観て回った。
- 展覧会概要に書かれた「―自然から生み出される。」という一文からは、「本当の自然は荒々しく、美しい自然庭園も人工的に保全されているからこそ美しい」などというよくある話を思い出す
- 今回の作品ももちろんすべて人工的と言えるけれども、いかにも生物的なボトムアップ・自己組織化の原理が体現されつつ、人工的と感じさせない"自然の"美しさが、どの作品にもあり、不思議な感覚だった
しっかりしたレポートはたとえばこのあたりを参照しつつ、あとは写真を:
写真
- 快晴。半蔵門線の清澄白河駅から10分弱歩く。都バス「東20」「業10」ならバス停が目の前
- 入り口から、たくさんの「白いストロー埋め尽くし」で迎えられる
- もちろんストローではなく、アクリルかポリプロピレン製ぽい中空パイプ。各部屋の通路脇にもこれがたくさん、高さ感+厚み感をもって敷き詰められ、作品間の通路を形作っていた
以下の2作品だけ撮影可能。しかも「携帯電話(スマートフォン含む)のカメラなら撮影可能です」というめずらしい(?)注意つき。まあ、これだけ光を大事にする展示会でフラッシュありで撮影されたらいかにも無粋だろうな
- 「虹の教会」
- 500個の直方体プリズムが積まれている。1光源からの光を律儀に屈折させ、左右の壁に広がる。人間の身長と比べた高さ方向のスケール感
- 離散的なプリズムの積み重ねが、連続的であざやかな光の波になっていた
- 光源は静止しているので、観る側が歩いて角度を微妙に変えるとパターンがけっこう大きく変わる。子供と大人でも見え方は違う(はず)
- 小学校のとき、透明の六角形のボールペンを日光に当てると、近くのノートの表面に小さい虹が映ってけっこう楽しかったことを思い出した。屈折とか習う前の頃の原体験
- こんなインスピレーションがありました、という感じのイラスト
- エスカレータからの景色
- 写真撮っていない他の作品含めて美しかった。A「ウォーターブロック」B「白鳥の湖」C「ローズ」D「蜘蛛の糸」E「虹の教会」F「レインボーチェア」G「ハニーポップ」
- B/C/G に自己組織化の原理を見て取れる
- ちょっと古いけどこういう本に書かれている世界観
- 作者: イアン・スチュアート,梶山あゆみ
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2009/07/11
- メディア: 単行本
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- ちょっと古いけどこういう本に書かれている世界観
- Dは本当に7本?と数えてみた(本当に細くてけっこう大変)
- Fはおもわず写真に撮りたい、しかしどんなカメラでも再現できなさそうな、ぼやっとした美しいプリズム光を目の前に観られる
- いくら4K映像といっても目の網膜(の解像)にはかなわないな、と思える光
- B/C/G に自己組織化の原理を見て取れる
展示会の色は、Webサイトにもあるように会場全体を覆う白・透明がメイン。EやFのプリズムが示す七色と、Cの赤が印象的だった
常設されていたロボット。この「Crystallize」と「うさぎスマッシュ展」に見入ってしまい、常設展を観る時間がなかった。またの機会に