GPSウォッチの完全代替になり得る?スマートスポーツギア SONY Smart B-Trainer
今年の春に銀座ソニービルで見かけてから気になっていたデバイスを、丸の内の新丸ビルB1にあるランニングステーション「Marunouchi Bike&Run」で借りて体験できる機会があった。
最初に使用感まとめ
- ○ スマートフォンを携行せず、GPSログや心拍数を記録できる手軽さ
- ○ 音楽のBPMを解析し、その時の心拍数に合った曲を選択してくれる(らしい。未体験)
- △ バッテリー
- △ ソフトウェア
- 本体ボタンを押すと、ランニング中でもペースや心拍数を音声アナウンスしてくれる。それはいいのだけど、「ペースはいいので、まず心拍数を教えてほしい」ようなときはけっこうあって、アナウンス順を変更やスキップできるとよいのだけど、その機能は(まだ)ない
- 総合的に:タイトル「GPSウォッチの代替になり得る?」への答えは、個人的には△
- バッテリー容量、ソフトウェアのカスタマイズ性はまだまだと感じる(逆にそれをクリアしてくれたら○になる)
あとは細かい使用感や画面などいろいろ
使用前
ランニングステーションでは、いつもいるスタッフではなく、メーカー担当者から直々に、丁寧に説明を受けた:
- どんな特徴がある製品か
- 装着の仕方(気をつける点)
- 今回の体験では、どのボタンだけを使えばいいか
- スマートフォンとのペアリング方法
あとはいつものように皇居へ出てランニングを始める。違うのは、耳にこの製品を装着している点だけ
外観
- 白を借りた。実製品は4色展開
- スイッチ類はこの写真に見えている4つだけ。同じ側に揃っていて、「長いボタン」「丸いボタン」と形状も変えてあるのでわかりやすい
- 運動中はもちろん目で見て操作できないのもあり、インターフェースの細かい配慮はポイントが高い
- 「迷わないインターフェース」は付加価値としては必須とも言える
耳に装着する部分で脈拍を測り、それを「心拍数」としている
その分、耳に対して"固定"する必要があり、装着後はわりと密着感があり、周囲の音がやや聞こえづらいタイプと思う
ランニング中、たまに「心拍計測を停止しました」とアナウンスが聞こえることがあった。首の向き?などで計測部分の接触がわずかに弱くなったもよう。特にさわらずとも心拍計測は再開された
同社の似た製品
ちなみに今使っているイヤフォンはこれ。スマートフォンに入った音楽をBluetooth接続で聴く。快適に使えている。しかしもちろん、使用中はスマートフォンを携行しておかないといけない
SONY スポーツ向けワイヤレスイヤホン 防滴仕様 Bluetooth対応 マイク付 ブルー MDR-AS600BT/L
- 出版社/メーカー: ソニー
- 発売日: 2015/02/13
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
この製品は、イヤフォンそのものがウォークマンなので、音楽を保存できる。つまりこのイヤフォンだけで音楽を聴ける。しかしもちろんGPSログ取得や心拍数計測機能はない
SONY ウォークマン Wシリーズ 16GB ヘッドホン一体型 防水タイプ ブルー NW-WS615/L
- 出版社/メーカー: ソニー
- 発売日: 2014/11/08
- メディア: エレクトロニクス
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スマートフォンアプリ
事前にインストールしておく。
このページは、アプリ内「ヘルプ」をタップすると表示されるページでもある。iOS/Android版アプリのダウンロードリンクや、その更新情報がまとまっている
インストール後、スマートフォン本体とは最初だけ、NFCまたはBluetoothでペアリングしておく。
- 本体←→スマートフォンの間でのデータ転送時は
- ランニング時は以下のいずれか
ここまで行っておけば、
計測中、スマートフォン側の表示はシンプル。中央に測定開始からの経過時間、上部にリアルタイムで測定した心拍数などが表示される
計測
計測後、本体からスマートフォンアプリにデータを転送。その後、スマートフォン上でこの画面を確認できる
測定データは同時に2つまでチャート表示可能。青:ペース、赤:心拍数
緑:高度、赤:心拍数。赤が谷のように落ち込んでいる箇所は、歩いたところ
たとえばトレッキング時に計ると「上り坂を歩くと心拍上がる」がわかりやすく見えそう
トレーニングプラン内蔵。この金哲彦さんのプランは有料。もう少しシンプルな、無料のプランも入っている
目標に応じて、たとえば3ヶ月と区切り、この曜日とこの曜日に○km、歩いたり走ったりしましょう、とガイドしてくれる。合理的で丁寧な内容。
MY ASICSと連携。普段使っていないのでよくわからない
クロージング
使用後は、対面形式でアンケート回答。あまり内容は書かないほうがよさそうだけれど、一部は:
やっぱりというか、GPSウォッチを競合と見ている雰囲気が伝わってきた。
質問者は1人ながら、周囲には企画/営業/販売/開発担当という雰囲気の(違うかもしれない)の人々が耳を立てており、使用者の生のフィードバックをその場で受けようという、メーカーとしての気合いを感じた
売値はkakaku.com最安値¥2.5万台。定価¥2.6万なのでそれほど値落ちしていない(2015/8現在)
(あとは技術的な側面から適当なおまけ)
おまけ
ウェアラブルデバイスとしてのイヤフォン
形だけ見ればいわゆる「ワイヤレスイヤフォン」で、たしかにその通りなのだけれど、
- 音楽をこのイヤフォンに転送して聴ける
- GPSログを記録できる
- 心拍数を測定できる(耳の脈拍をとる)
などの機能がついた「高機能な+ワイヤレスイヤフォン」と言える。
といっても、ランニングしない人にとっては何のこっちゃという製品分野。少し前に良く耳にした「ウェアラブルデバイス」の一種と言えるかもしれない
ウェア‥と同様のカテゴリと言える「活動量計」でkakaku.comを検索すると、ヘルスケア分野でよく名を聞くメーカーがいろいろ製品を出している。
加速度センサや圧力センサ、(おそらく多くはMEMS技術をベースにした)多様なセンサ技術で、歩数だ、歩行距離だ、脂肪燃焼量だ、といろいろな記録をとれる
ソニーだと:
「時計で心拍測定」のトレンド(2015年中旬現在)
心拍測定は、ランニングをきっちりする人(僕はそうでもないけれど)にとっては大切なパラメータの一つ。
- ペース維持:走るペースを上げ、"今の"心拍数を常に測定し、上がりすぎたらペースを落とす
- 心拍機能強化:ある一定の心拍数レンジで決まった距離を走り、その経験を積むことで心拍機能を強化する
などにおいて、心拍数を数値化できることは必須である。
- そして当然、重いよりは軽い、なるべく小型デバイスで測定したい
- 温度や湿度と異なり、身体への接触測定が必要なので、スマートフォン+アプリの構成もまだまだ不利
- 自社の時計と通信可能なベルトをオプションとして提供、というメーカーは結構以前から存在(GARMIN、SUUNTOなど)
しかし、腕に直接巻く、時計「単体」で測定できるのがベストである。
「心拍数 ウォッチ」「心拍計」などで検索すると製品数はそれなりに多い。ランニング用途、時計単体として選ぶと(他にも数社あるけど割愛):
- EPSON SF−810
[エプソン リスタブルジーピーエス]EPSON Wristable GPS 腕時計 GPS・脈拍計測機能付 SF-810V
- 出版社/メーカー: EPSON(エプソン)
- 発売日: 2014/10/17
- メディア: 時計
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- adidas micoach smart run
adidas miCoach Smart Run アディダス miCoach スマートラン [並行輸入品]
- 出版社/メーカー: adidas
- メディア: その他
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- GARMIN Forerunner 225(最近発表された)
ガーミン前触れ 225 手首ベース心拍カロリー カウンター Garmin Forerunner 225
- 出版社/メーカー: ガーミン
- メディア: Wireless Phone Accessory
- この商品を含むブログを見る
‥と、まだ選択肢は限られている。つまり2015年中旬現在では、(時計ではないものの)Sony Smart B−Trainerの市場優位性はけっこうあるほうだと思う
「脈拍」を心拍数とみなす
ページ中ほどにあるように、耳で測定する脈拍を「心拍数」と近似することは、どうやら問題ないらしい。
* 一般的に、運動の強度の目安となる心拍数を知る手段として、脈拍の測定が推奨されています。
本製品では、内蔵センサーが耳から「脈拍」を計測し、その結果を運動量の測定や“心拍トレーニング”に活用しますが、わかりやすくお伝えするため、 「脈拍」を「心拍」、「脈拍数」を「心拍数」と表現しています