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世界報道写真展2010


日本の報道写真展は昨年と今年始めに行ったけれど、世界のほうは初見だった。日曜午後という時間帯からか、意外と受付に行列ができていてびっくり。ついでに東京都写真美術館の「友の会」に入るつもりだったけれど、その受付も人がけっこういて、まあまた今度でいいか。


世界報道写真財団なるもの存在し、本部があるオランダは今サッカーが強いな、などと遠慮なく知識のない状態でイントロダクションを読んだ後、1枚1枚にじっくり引き込まれる。ふだん触れることのない、せいぜい新聞の国際面かロイターなどのニュースサイトを通してでしか触れない、このような現実に、せめてこんなときくらいは触れておこうという気持ちだ。それぞれ、わりと詳しく書かれた説明のおかげでその背景も理解できて、かなり助かった。しかも日英併記で、和訳の視点でもちょっと勉強になる。


世界と日本、比べて何となく気づいた点。

  • 必ず扱われるトピックスのうちいくつか(紛争、社会問題、貧富格差)は、日本の報道写真展ではほとんど出てこない。やはり日本は平和だ、ということか。
  • この精悍なランス・アームストロングのように、モノクロまたは淡色の写真が多かった一方、日本の報道写真展には、色鮮やかな、または笑顔を交えた写真がけっこう多かった。
  • コンテストとして選ばれた写真たちに、ある種の(写真を見る側の)大衆ニーズが、多少は反映されるとすると、日本で写真に求められているものは、世界のそれとは少し違うのかもしれない。