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羅生門 (まんがで読破)

「真相は藪の中」という言葉の元はこの作品なんだと初めて知った。計3つの短編で登場人物が重複していて、1つの作品のようにも読めた。

  • 羅生門」と老婆のおどろおどろしさは絵でよく現れている。
  • 「ちゅう盗」(ちゅうが変換できない、にんべんに周瑜の瑜)は兄弟愛以外に何を描きたかったのかがいまいち。
  • 個人的にいちばん面白かったのは「藪の中」だ。検非違使(=読者に近い視点の人物)に「みんな違うことを言うのでどれが本当かわからない」と言わせたまま終わることで、いろんな解釈ができる。登場人物が少なく、ほとんど登場しない人物でさえ、逆に怪しい、とも読める。


小説「告白」の構成は、異なるモノローグが続き、一応結末は描くけれど、まさに「真相は藪の中」という読後感を残している。罪と罰、復讐をテーマにしている点もあるのだろうけれど、この「藪の中」にも構成が近いなと感じた。


羅生門 (まんがで読破)

羅生門 (まんがで読破)