always one step forward

SP革命篇

1)野望篇 2)「革命前日」 3)革命篇という時系列に対して2)→1)→3)の順でやっと観た。1)の期待はずれ感を聞いていたけど実際観るとそうでもなく、3)も含めて充分楽しめた。「期待外れだ、しかし正しい」という微妙な言葉が、井上←→尾形の関係を表現できている深い言葉だと思った。(以下ネタバレあり)


国会議事堂での尾形さんの聴かせる演説。本会議場正面、演壇からのズームアウトには魅入ってしまった。一瞬本物かと思ったけれど、よく見ると議席の数が少なかったり、木目の色がやや明るかったりで、どうやら本物ではないようだ。逆に許可されたらなかなかすごいことだが。この時代の日本で堂々と「革命」という単語をタイトルに入れるその空気感から、その行為を基本的には賞賛する、という作品のスタンスを予測していた。けれど、その言葉を語らせる人物の軽さや非現実感が強調されていくのを眺めるうちに、ああ思ったより冷静に構えているな、と落ち着いて内容にはまることができた。映画にメッセージ性は必要だけれど、妙なイデオロギーが前面に出すぎると逆に冷めてしまう。


表の話としては"大義"を果たして、主要人物が亡くなることもなくいい終わり方と感じたけれど、

  • 尾形さんが引き出しに入れた「井上 薫様」手紙の中身
  • 生存した他の「雄翔会」出身者のその後(たとえばまだ警察内部に残っているのか)
  • 爆弾をふんだんにセットされた衛視の皆さんは結局無事だったのか
  • 赤富士の会議室で立場のなかった警護課の中尾課長は本当に知らない側だったのか
  • 看守→尾形さん「もうしばらくの辛抱だからな」の意味

などいくつか気になるポイントをぼかしてくれたままでわからずじまい、「大義篇」「真実篇」「理想篇」とかの続編もありか。