告白
多くはモノローグの形で語られ、一見読みやすい。
章ごとにその視点が変わる。主人公から見たAとB、Aから見たB、Bから見たA、母親から見たA、Aから見た母親…、一つの事件でも、当事者の視点が違うと、行動の思惑がまったく違うものになっていく様が、読んでいくうちにはっきりしてくる。ただし、そう「見える」だけで、末尾にある映画化した監督のインタビューにもあるように、独白=書いてある内容に、嘘が含まれているかもしれない(いないかもしれない。)読み終わったら霧の中だった、という感覚で、そういう意味では、再読するとおもしろい本だろうし、そこが本当のミステリーになっている気がする。
牛乳のくだりは、体調の良いときに読んだほうが良さそうだ。ドストエフスキーの「罪と罰」へのオマージュと思われる内容だけれど、あれそういえば「罪と罰」はそもそもどんな物語だったか、、そちらも読んでみたくなった。
- 作者: 湊かなえ
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2010/04/08
- メディア: 文庫
- 購入: 31人 クリック: 1,085回
- この商品を含むブログ (481件) を見る