2014.05.10 "Variations" - サンパール荒川
管弦楽を、わりと近所、無料で聴ける機会があった。いわゆる有志の楽団、形式張った感じのない雰囲気で変奏曲を2曲。ストリングスにしか出せない(と勝手に思っている)波のようなアナログ音。優雅で、元気さも表現しつつ、曲調もいろいろ、変奏曲ならではのバラエティがあっておもしろかった。
音楽をそもそもあまり聴かず、中でもこういうクラシックを聴くことは自分の中ではかなり"非日常"。だからこそたまには触れておかないとなあと思える機会だった。
演奏会情報 - a la Philhamonic Orchestra(ア・ラ・フィルハーモニックオーケストラ)
- サンパール荒川=荒川区民会館
- 場所に見覚えがあると思ったら昨年談春さんの落語を聴きにきたのがここだった
バイオリン・マジョリティの構成
- パンフレットのメンバー一覧を見ると、全体80名弱、そのうち21人がバイオリン。単に25%といえばそうなのだけれど、この皆さんの座り位置は客席から近いほう(前方)であるため、感覚的にうける"存在感"はそれ以上だった。管弦楽団のライブ演奏は数回しか観たことないけれど、中でもこの構成は特徴的
- 弦楽器だけ見ると、指揮者が時計の中心にいるとして:
- ‥という扇形の配置。その扇の外周を、木管楽器、金管楽器、パーカッション皆さんが囲むような形
静かな和音
- したがって(他を見ないというよりはどうしても)バイオリングループに注目してしまう
- この人数なのに?と思うくらい、わりと静かな入り方で、同じ和音を合わせて弾く緊張感のようなものがあった。1つの音を高さを保って弾くのは(素人目にも)むずかしいだろうなと思う
- ウクレレ習っていた頃よくあったのは、
- 「エアコン効いた部屋でチューニングした4弦が、別の部屋に移ったとたんにずれ出し、結局その部屋で再チューニング‥」というケース。ボディが小さいので、少しの弦のゆるみでも、音はわかりやすく上下する
- 連弾、といっても3人で3パートだったりすると、1人のずれはすぐ露見し「あれなんかずれてます?」というパターン
- 人数が多くても、1人のずれは目立つだろうなあ、とかそういうことを思い出しつつ聴いていた
大きな弓の動き
- 後半、曲進行に応じ、弓の上下動が大きくなる箇所があり、生み出す音量も3倍くらいに感じた。ああやっぱり最初は意図して絞っていたのか、とちょっと納得。その人数がシンクロして動かす弓の動きはけっこう圧巻
- 磨かれた金管楽器や手入れされた弦楽器のボディが、照明に反射して光る、というような視覚に訴える部分もあらためて新鮮。せっかくライブで観ているので、そのへんの感触も大切にしたい(と今回あらためて思った)
変奏曲
聴きにいくまで「変奏曲」の定義をよくわかっておらず、座席で読むパンフレットや、帰宅後のWikipediaで再勉強:
変奏曲(へんそうきょく)は、主題となる旋律が変奏され、主題と変奏の全体が一つのまとまった楽曲となったものである。ほとんどの場合変奏は複数持たれ、主題とそれぞれの変奏における小節数が一致する。そのため、例えば英語では variations と複数形で呼ばれる。なお、変奏(ヴァリエーション、variation)とは、ある旋律のリズム、拍子、旋律、調子、和声などを変えたり、さまざまな装飾を付けるなどして変化を付けることである
「エニグマ」とはギリシア語で、「なぞなぞ」「謎かけ」「謎解き」といった意味である。この変奏曲には2つのエニグマが込められているという。第1のエニグマは「この変奏曲は、主題とは別の、作品中に現われない謎の主題も使われている」というエルガーの発言に基づいている。
「作品中に描かれた友人たち」の謎解き 前述の通り、該当人物はほぼ特定されている。ただし第13変奏の(***)のみが依然未解明のままである。詳細は「作品」の項を参照のこと。
- エニグマといえばWWII時代ドイツ軍の暗号機のイメージしかなかったけれど、その約50年前にクラシックの世界で "由緒正しく"使われ方をしているのは初めて知った
- 未だ不明のイニシャルがある、とかはいま観ているBBC「SHERLOCK」の世界に近いかも
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電子機器OK席
- 最近はこれが普通、なのかはわからないけれど、客席を大きく前後に分け、後部は「電子機器使っていいです」の席とされていた
- いい試みだと思う。演奏中、明るい画面のスマートフォンを持つ人が数人いた。マナー面は、まあこの案内を理解して電子機器を使う人なら問題ないか(というご判断だったのでしょう)
- 僕もそこに座ったのだけれど、聴いている間はスマートフォンを触ることはなかった
- 聴き入っていた、というのもあるし、
- 後から考えると、どうやら「音楽を聴きながら何かメモを取る(言語化する)ことに慣れていない」からかもと思った
- 講演を聴きながらメモを取る、はまったく苦でなく、よく行うので、「言語を言語化」vs「音楽を言語化」は基本的な頭の使い方が何か違うんだろうな。「音楽聴きながらイラストを描く」なら楽に行える?のかもしれない