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IT寄りの日常・IT以外の日常。ランニング。美術展や展示会感想。長文でもなるべく読みやすく構成する練習を兼ねています

定刻発車―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか?


タイトルと表紙だけみると「乗り鉄」向けの軽めの趣向かと思いきや、実際は「鉄道運行論」「鉄道会社社会学」とも言えそうな、硬質で明快な内容で、面白く読めた。


鉄道会社のOBや関係者への深い取材量を感じさせる。そのため、示されるデータがpracticalで、論旨にも説得力がある。乗り手のみの視点だと、これが軽いままになっていただろう。


季節ごと、週ごと、日ごとの人の動きを「波動」と表現してデータベース化し、次の運行計画をシミュレーションする。たくさんの部品が集まって列車を成し、たくさんの列車が1つの運行システムを成す。このシステムの奇跡的な定時運行には、乗客も「協力」するよう、必然的な「訓練」がなされてきたのだ、という主張は、乗る側ばかりの自分としてもちょっと新鮮な発見だった。


定刻発車―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか? (新潮文庫)

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