2014/10 福島 - day 1: 県道36号〜国道6号の日常風景
10/5に福島県いわき市で行われたマラソン大会「シェイクハンズいわき」に、ボランティアで参加した(その内容はday 2で)
いわきへの前日入りを決めた段階で、昼頃に入り、車で県内をどこか回ろうか、とは早いうちに決めていた。スパリゾートハワイアンズ?湯本温泉?小名浜港?
‥しかし、↓のような記事を見て、廃炉や除染、現在進行形で"負"からの復興作業が進んでいる福島原発、あるいはその近辺の雰囲気を、自分の目で見て感じておくことには、何か意味があるかもしれないと思った。
国道6号 3年半ぶり全線開通 - 河北新報 2014/09/15
福島第1原発事故後、通行規制が続いていた福島県富岡町-双葉町間の国道6号(14.1キロ)が、15日午前0時に自由通行に移行した。
結果的に、原発に近づくことはできず(当然と言えば当然)、近場の道路をレンタカーでうろうろしただけで終わった。内心は、もっと"非常時"な雰囲気があるのかと予想していた。しかし、道の駅、道路沿いの木々、港、ロードサイドのコロッケ屋、そういう場所にあったのは、いずれも静かで穏やかな日常風景だった。それがわかっただけでも収穫だったと思う
あとは適当に写真を。それぞれを記憶にとどめる意味でちょっと長くなるかも:
スーパーひたちE657系
常磐線、始発上野〜終点いわきまで。成田エクスプレスN'EXに近いデザイン。初運行からまだ2年もたっておらず、とても快適な列車だった。個人的には、東海道新幹線よりも快適
- 「知ろうとすること。」まさか無いと思っていた、駅ホームのコンビニNEWDAYSに発見。車中で読み終えた
- BABYSCANやD−shuttleの製作・運用を実現した早野先生と糸井重里さんの対談本。"震災xTwitter"の積集合において、この人抜きでは語れないというくらいの早野先生。福島高校の学生とのやり取りも含まれている
- 作者: 早野龍五,糸井重里
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/09/27
- メディア: 文庫
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- 固めのシートが自分には合っている。ほどよく固い、けれど長時間乗っても疲れない。よく考えられている
- 4列席すべて、アームレストに1口コンセント
- いまや旅の印象を大きく分けるとも言えるコンセント。バッテリー技術が大幅に改善されない限りは、この役割は変わらないだろう。重要
- AED完備
- 出版社/メーカー: タカラトミー
- 発売日: 2012/07/26
- メディア: おもちゃ&ホビー
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いわき駅
- まもなく終点いわきです
- 列車の本数はだいたい1時間に1-2本
- スーパーひたちといわき駅
- 来年2月の「いわきサンシャインマラソン」
- 駅前のLATOVというビルに市立図書館が入っている。30分ほど、地元紙をめくって過ごした
- 何年か前から、初めて訪れる場所では、地元紙を読むことにしている。ホテルだとロビーにおいてあるし、なければコンビニで買ったりもする。やっぱり、色々伝わってくるものがある
- これは今年1月の紙面。3年経った今も、除染、農業、雇用、親子、経済などのトピックスがかなりを占めていた。どちらかというと前向きな内容が多かった気がする(紙面の撮影は原則として禁止されています。一部加工済)
- 作者: 福島民報社
- 出版社/メーカー: 福島民報社
- 発売日: 2012/03
- メディア: 単行本
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- このロゴデザイン、光るものがある
レンタカーで北へ
- フィットハイブリッドを半日借りた。ホンダ車は久しぶり。ギアは、指1本で操作できる、もはやスイッチと言ってもいいそれで、右へ倒してN、そのまま下でD、上ならR。パーキングはPボタン
- ギア gear という物理的な響きはもう感じなくなり、電気製品と言ったほうが近い。ハンドルもそのうちタッチパネルとかになるんだろうな。そのわりに、ワイパーや照明を操作するスティック部分が未だにそのままなのがちょっと不思議
- メーターはこんな感じ
新型フィット&フィットハイブリッドのすべて (モーターファン別冊 ニューモデル速報 第445弾)
- 出版社/メーカー: 三栄書房
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県道36号線
- いわき中央ICから常磐道を北へ約50km、現在の「終点」である常磐富岡ICに
- この場所で福島第一原発からは直線距離で約10km、路上でデジタル表示された線量計はたしか5〜6μSv/hあたりを表示していた
- 高速を降りると県道36号線。東へ進むと「この先帰還困難地域」と見たことのない案内が
- 国道6号等の通過(帰還困難区域の特別通過交通制度の運用変更)について - PDF をしっかり見ておけばよかったけれど、要はこのあたりが普通に通行できるようになったのはつい先月(2014年9月)のこと
- 除染作業が終わり、地元の人々の要望が強く開通へ先行作業をしたようだ。"開通"というのも変な話で、原発事故がなければ普通に自由に走れる道路なのに、とも思った
これ以上、帰還困難地域にわざわざ入る理由もないので、適当なところで引き返してきた
- 「スクリーニング場あり 減速」
- 入ってみるまでよくわからなかったけれど、帰還困難地域(=高線量地域)を通った自動車の線量チェック、もしくは除染をしてくれる場所だった。僕はそこには入っていないので断ることもできたかもしれない
- 作業する彼らは作業服を着ているものの、マスクはしていなかった。本来はありえないけれど、これもこの地域の日常なのだろう
第二原発なら大丈夫だろう、と思ってルートを探して向かった
しかしそこへ至る道の先に、警察検問があった。「単に様子を見たい」が通行に十分な理由になるとも思えなかったので、やっぱり引き返してきた
国道6号線
国道6号を南へ下り、いわきへ戻ることにした。「道の駅 ならは」は休館中
福島第一原発から約25km、福島第二原発から約12km、見ておきたかったJヴィレッジ。広野火力発電所の真横にあり、原発対応の前線としてずっと用いられている。このときも作業車や資材でグラウンドが埋まっていた
本来のサッカートレーニングセンターにはもう戻らないのか、と思っていたら、東京五輪を前に復活するようだ。象徴になると思う
Jヴィレッジについては、下村博文文部科学相が「東京五輪の最低1年前にはサッカー練習場、合宿所として機能できるように国として応援する」との考えを示している。
Jビレッジから南へ約10kmにある久之浜。何気ない工事案内だけれど、「流出家屋の基礎を取り壊す工事です」の一文が、物事を風化させない、事の大きさを物語っている。つまりそういうことがおこった場所だということ
車高よりも大きな消波ブロック
さらに南下し、四倉にある「道の駅よつくら港」 ここにも、ブロックが海岸に無数に並んでいる。全力で備えるという意志が伺える
置かれた船
この場所だと「静」という文字にも思いがあるように見える
子供が遊べる建物があり、普通に親子連れでにぎわっていた。津波の日もおそらくこの辺りに住んでいたはずで、記憶にどれくらい津波のことが残っているだろう、今はどんなことを感じていただろう、と気になった
そのまま南下して小名浜まで向かう。カーナビは国道6号から外れた脇道を案内してくれて、その道に面した「西野屋食品」では新鮮な漬け物が手頃価格でたくさん売られていた。
(僕はそうでもないけれど、)漬け物好き、日本酒好きにはたまらないラインナップだったと思う(うにみそとか、、)いわき駅前にも店がある
で、その外で売っていたコロッケとメンチカツがうまかった(空腹だったから説もあり)
結局レンタカー返却に間に合わせるため、小名浜はまたの機会に、ということでいわき駅付近まで引き返した。
カーナビ・カーオーディオでおなじみアルパインのロゴ、久々に見た気がする。いわきが拠点なのは初めて知った
車は返却、駅前からの路線バスで「かんぽの宿 いわき」へ。同じ名前のバス停で降りるとこの距離、、
照明のない農道を15分程度歩くという予想外のアトラクション。iPhoneのLEDライト、ガイド用に役立った
チェックイン。ゲームコーナーがあるホテル。「世界一周の旅」なんか懐かしいゲームが
そして、翌日の日の出〜マラソン大会「シェイクハンズいわき」への参加、day2 に続きます。