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ツリー・オブ・ライフ

難しい。(a)(b)(c)どの姿勢で観たらいいのか迷う映画。逆に言うと、いろんな解釈ができて、観た後の感想を言い合ったり、いろんな人のレビューを読んだり、と深く楽しめる映画だとも思った。

  • (a) 「父母と接しながら3兄弟が成長していくある家族の一風景」「地球の神秘をいろんな映像で表現してみました集」としてぼーっと観る
    • これは、ちょっと表面的な感想で、まさに映像芸術として観る姿勢
  • (b) ガチガチの宗教映画として受け止め、最初に示してくれる対立概念のキーワード「生き方には二つある。世俗に生きるか、神に委ねるか、どちらか選ばなくては」から、これをヒントに「ああこのシーンはこっちのことを言っていそうだな」と反芻を手短に繰り返しながら小難しく観る
    • 神への問いかけの場面ではほぼ、地球の"活動"そのもの(マグマや噴火や滝や樹木)が現れる。しつこいくらい、そうなので、キリスト教の知識はなくても、テレンス・マリック監督自身の神への問いかけ→カタルシスを描いているのだと何となくわかる
  • (c) 多くを受け入れる優しいお母さん、かわいい弟、厳しかったけれどある日弱い部分の本音をさらけ出してくれたお父さん、と主人公の回想に自分を重ね合わせて、自分だったらどう感じるだろう、とあとでゆっくり振り返る
    • 自分が子供のころに戻ったら「厳しい父さんだな、うちのお父さんにも怒られたこともあったけれど、けれど大事なことを理解させようと怒ってくれたんだな」父親なら「仕事中心、けれど奥さんも子供も大切、食事の時間は、しつけも大切だけれど、なるべくみんなが色々なことを話せる時間にしたい」


監督のコメンタリーがもしDVDに含まれるのなら、聴きながらぜひもう一度観たい。「このシーンではこのことを言いたかったんだよ、みんなわかってくれたよね」「いやけっこうわからないところがありました」という感じで。聴いたら聴いたで哲学的すぎてわからなくなるかもしれないけれど。

ツリー・オブ・ライフ

ツリー・オブ・ライフとは編集