三菱一号館美術館「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」内覧会
先日、閉館後の内覧会に参加する機会があった。印象派スターたちの小品集という感じで楽しめた。
小品、には文字通りサイズの小さい絵画という意味を込めた。自然と体を近づけて見入ってみると、風景の緻密さや馬の躍動感が小さな平面によく表現されていて、ちょっとびっくりするほどだった。
単純な風景画にしても、目で見て感じる"解像度"がかなり高い。どの絵画を見る場合もそう感じるかもしれないけれど、
- 自分の目で、
- 実物を前にして、
- (ディスプレイの透過光でなく)周辺照明の反射光を頼りにして、
‥得られる質感は、ディスプレイ解像度が上がった今日でもまったく褪せていないと感じた。展示替えなし、2015/5/24まで
intimate
- 本展の見どころ|ワシントン・ナショナル・ギャラリー展 |三菱一号館美術館
- この見どころ紹介のページ、★3つめに「親密さ intimate」 というキーワードが見られる。鑑賞した後にこのページを見たのだけど、たしかに(小さいがために)自然と近づいて鑑賞する雰囲気がたしかにintimateだった
- ワシントンときて、ナショナルとくれば、ホワイトハウスに金融中枢に、タカ派にアイビーリーグに、といろいろ「硬いエリート」のイメージがある。その名前からくるイメージとはまったく異なる、やわらかい雰囲気を醸し出していた展示会だった気がする
- もちろん、コレクションを構成する作品群の雰囲気がそうさせていただろうし、ゆったり目にとられた作品の配置間隔(おそらく展示件数を抑えめにしている)も同じくそうさせていた
コレクター
- エイルサ・メロンの、優しく、心安らぐコレクション|ワシントン・ナショナル・ギャラリー展 |三菱一号館美術館
- 高橋館長・学芸員の杉山さん・青い日記帳のTakさんの説明込みで感じたのは「コレクションはコレクターによって作られる」
- 民間からの寄贈が主とはいえ、intimateな雰囲気のある小品に着目して収集したことがよく伝わってくる構成
※以下館内の写真:内覧会用に撮影許可をいただいています
個人的印象深い作品
ボナール「花束」
終盤「5 ボナールとヴュイエール」に登場。背景の濃青色がとても印象的。他の作品にない色の選び方で、もちろん花のピンクが際立っている
ルノワール「クロード・モネ」
へえモネさんはこんな雰囲気だったのか。二大作家どうしの日常交流が見える
ロートレック「カルメン・ゴーダン」
中盤にさらっと登場。これまではあのムーラン・ルージュのポスターのイメージしかなかった。小さい額でも存在感は強烈
あとは大まかに進路に沿った写真を(印象に残ったものだけ撮りました):
1 戸外での制作
地域はパリ近郊や北フランス中心。印象派の展示だとよく見る地名。この展示会ではウジェーヌ・ブーダン(全く知らなかった)の作品にたくさん出会える
2 友人とモデル
魅入る、額の三次元性
突如、日本犬「TAMA」が登場(猫のように名付けられた犬)