プロメテウス
「エイリアン+リドリー・スコット監督」の組み合わせに慣れ親しんだ人なら楽しめただろう。前者をまったく観たことが無かったのであれだったけど、「エイリアン・エピソード0」とでもサブタイトルがあれば若干心構えもできて咀嚼できたかも。「人類の起源という謎を解く」と上段構えでおおっと思い、謎のオープニングで期待は膨らみはじめたものの、結局最後までぼやっとしたまま観終えてしまった。続編ありきの制作だったみたいだけれど、果たして制作されるのだろうか。
美しい映像がところどころにあってこれはよかった。エンジニアが会議をしていたと思われるホールで映し出される、エメラルドグリーンの天体図。"pups"(子犬たち)とかわいく呼ばれつつ、空洞の中を赤外線スキャンしながら(壁に当たらず)するすると飛び回り、空洞内の3Dホログラフィマッピングを作ってしまう高性能未来デバイス。マッピング後の "空洞" が終盤のキーになっているのだけれど、これも美しかった。ここは3D映画で観たかった。
‥と浅い感想で終わりそうと思っていたら、YouTubeに面白い動画が。プロメテウス号建造やら何やら、この計画に出資した張本人ピーター・ウェイランドが2023年のTEDでスピーチしているという一種のおまけ動画。本編の舞台は2089年や2093年なので、本人が「若い頃に野心を語る」という設定のようだ。これを観ると「プロメテウス」という名前にもつながるし、人類の起源云々を描きたかった監督自身の思いが含まれているように感じる。