コード理論初歩を学ぶ
ウクレレレッスンでコードの成り立ちを少し詳しく教わった。短くまとめると、
- コードの名前(マイナーとかメジャーセブンスとか)と、そのコードへの音符(構成音)の「乗り方」の間にはルールがある
- これを憶えると、コード一覧表の丸暗記からは少し抜け出せる(のでは)
世の中ではこれを「コード理論」と呼ぶらしい。理論というよりは一種の「ルール」と考えた方が良さそうだが、ロジカルに納得できるところがおもしろかったので忘れないうちにここにまとめておく。
- 1オクターブ分の音をド(C)からアルファベットで、半音をxで表すと
CxDxEFxGxAxBC
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- ピアノ鍵盤の白鍵と黒鍵のイメージ
- ミ(E)ファ(F)の間、シ(B)ド(C)のに間は黒鍵がない(半音が挟まらない)
- 「ド(C)ミ(E)ソ(G)」の和音(Cコード)を例にとると
- 三度:C→Eのように(自分自身Cを含めて)音が3つ上がる音程
- 長三度:C→E「CxDxE」のように、xが2つある(半音で4つ上がる)音程
- 短三度:E→G「EFxG」のように、xが1つある(半音で3つ上がる)音程
- 完全五度:C→Gのように、xが3つある(半音で7つ上がる)音程
- ルート音CからE→Gと重ねると、長三度+完全五度で「メジャー(Major)コード」
- ルート音CからE♭→Gと重ねると、短三度+完全五度で「マイナー(minor)コード」
‥ここまでですでに書くだけでは理解できない。五線上に音符を重ねると何となくわかる。
- さらにルート音から七度の音を重ねた4和音は「セブンス(7th)コード」
- 「メジャーコード(たとえばC)とマイナーコード(Cm)」の関係は「メジャーセブンス(CM7)とセブンス(Cm7)」の関係に等しい(マイナーセブンスとは言わない)
- Cm7 は「Cのマイナーセブンス」ではなく「Cmのセブンス」
‥さらにキーがCである4和音
の押さえ方を確認しつつ、これらをよく使う荒井由実さんの「あの日にかえりたい」の譜面をもらったところでレッスンが終わった。ウクレレは4弦しかないので、5つ以上の和音は弾けず、他のコードで代用する、という工夫話を聞き流し、「Bm7(-5)」の読み方は「B minor/7th/flatted five」らしいことに、頭の中はとてもそこまでたどりついていないのだった。しかしどのコードも「まず近いコードを押さえ、乗せる音に応じて指をずらす」ことで何となく納得できる。気がする。
この手の知識は今までまったくなかったけれど、もちろん知っている人は知っていて、書籍やネット(たとえば wikipedia:長三度 wikipedia:音階 など)にも体系的にまとまった情報はある。あとでさらに掘り下げて調べると、当たり前のように知られた「ドレミファソラシド」音階も、それぞれをどんな高さの音にするか、歴史的にはいくつかの"派閥"があり、
- ピタゴラス音律:大昔にピタゴラスさんが「複数の弦の長さが整数比を持つとよく調和した音になる」ことから決められた
- 純正律:和音にしたときに調和するように音階を決めた(周波数の比が簡単な整数比になる)
- 平均律:1オクターブの12半音を等分するよう、振動数の比を「2の12乗根」で統一した
などといろいろある。物理や数学の世界に引き込んで説明し切ったページもいくつかあり(ここやここ)、奥が深いながらもロジカルに説明できる分野のようだ。レッスンでこんなところまでは掘り下げないものの、ただやっぱり自分の体験/経験として吸収する機会があって初めて「身につく」ように思う。