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PACIFIC PEDAL LIFE DESIGN

昨年6月に引っ越した機会に、そのうち乗るかな、とマンションの自転車置き場を申し込んだのに、結局買わず乗らずで今に至ってしまっている今日この頃。毎日の運動に自転車もいいか、と店やサイトを巡りはじめている。そんな頃合いに、この「PACIFIC PEDAL LIFE DESIGN アジアーパシフィックの自転車生活デザイン展」を知って、何かの縁、ということで行ってみた。


平たく言えば「近現代のいろんな歴史の中で市民権を得た、自転車たちの展覧会」だった。よくこんな自転車残ってたな、というくらい古びたものや、これ以上減らせないというくらいまでパーツを削ぎ落とした、スプリントレースの練習用など、いろんな車種がきれいに並べられていて、なかなか楽しかった。おもしろかったのは「初期のツール・ド・フランス参加車」で、後輪に3段ギアがついているのに、それにつながるケーブルがなく、どんだけ斬新な技術なのかと思いつつ説明を読むと、「当時はギア変速は手動で(!)」「ギア交換の時間ロスは大きかった」ということだった。当時は「長い坂の手前で、ギア交換渋滞」みたいなのが発生していたのだろうか。


自転車専門店やネットショップを見ると、ごく普通に見える完成車が遠慮なく10万-20万して、何でこんなに高いのかと思っていたけれど、あらためて車体を間近に見ると、いろんな職人技術が集まっているのがわかって、値段にも納得した。フレームはあきらかに材料強度と重量のトレードオフ。「丈夫に、軽く」が極限まで達している。タイヤやブレーキ、ギアの部分ももちろんそれを邪魔しない性能であることが大事。あと、時代やメーカーにかかわらず、ペダルのデザインもそれぞれ個性的で、新鮮だった。